MultiSample™スキャンによる最も便利なサンプル測定
Park XE15 MultiSample™スキャンシステム
- 一回のパスで複数サンプルの自動イメージング
- 最大16個の個別サンプルをロードするために特別に設計されたマルチサンプルチャック
- 完全に電動化されたXYサンプルステージの最大移動距離:150 mm x 150 mm
電動サンプルステージを装備しているMultiSample Scan™は、ステップアンドスキャンの自動化におけるプログラム可能な複数の領域イメージングを可能にします。
仕組みは次の通りです:
1. ユーザーによって定義された複数のスキャン位置を登録
2. 最初のスキャン位置からイメージングを開始
3. カンチレバーをリフト
4. 自動ステージにより次のユーザー指定座標に移動
5. プローブのアプローチ
6. 繰り返しスキャン
複数のスキャン位置の登録は、サンプルステージ座標を入力するか、二つの基準点でサンプルの歪みを補正することで簡単に実行できます。この自動化された機能は、スキャンプロセス中における手間を省くことができるため、生産性を大いに向上させることができます。
クロストーク除去による正確なXYスキャン
パーク・システムズの高度なクロストーク除去(XE)スキャンシステムは、下記の問題すべてを効果的に解決します。この構成では、2次元フレクチャーステージを使用してサンプルをXY方向にのみスキャンし、積層型圧電アクチュエーターを使ってプローブカンチレバーをZ方向にのみスキャンを行います。XYスキャナに使用される個体アルミニウム製フレクチャーステージは、高い直交性と優れた面外モーションプロファイルを示し、XY方向に最大100 Hzまでの大きなサンプル(約1 kg)をスキャンすることができます。XY軸の帯域幅要件は、Z軸の帯域幅要件よりもはるかに低いため、このスキャン速度でも十分なことがわかります。Zスキャナ用の積層型圧電アクチュエーターは、適切にプリロードされている場合、 高いプッシュル力の高共振周波数(約10 kHz)を持ちます。
XEスキャンシステム
- サンプルおよびプローブチップ用の独立したループXY、Zフレクチャースキャナ
XYフレクチャースキャナ
- ボウイングのないフラットで高い直交性のXYスキャナ
XEパフォーマンス
図9 パーク・システムズXEシリーズによるフラットなバックグラウンド(a)。チューブスキャナを搭載した従来のAFMシステムによる典型的な湾曲したバックグラウンド(b)。(a)と(b)のクロスセクション(c)
図9は、XEシステム(a)と従来のAFM(b)で撮影したベアシリコンウェーハのAFMによるイメージを示しています。シリコンウェーハは非常にフラットであるため、図(b)の湾曲はスキャナの持つアーチファクトを示します。図(c)は湾曲のクロスセクションを示しており、 15μmのスキャンで80nm以上の湾曲エラーが示されています。XEシステムでは同じスキャン範囲で1nm以下のわずかな湾曲しかありません。XEスキャンシステムのもう一つの長所は、Zサーボの応答スピードです。図10は、XEシステムのノンコンタクトモードでイメージングされた、直径約5μmのポーラスポリマー球面 (Styrene Divinyl Benzene)のイメージです。XEシステムのZサーボの応答は非常に正確であるため、ポリマー球面上の急峻な形状を正確に追従し、スクラッチや吸着の現象も起きません。図11は、フラットなバックグラウンドでのZサーボ応答が高性能であることを別の例で示しています。
図10 & 図11
真のノンコンタクト™モードによる最高のプローブ寿命、サンプル形状の維持および正確なAFM測定の実現
真のノンコンタクト™モードでは、チップとサンプル間の距離が、原子間力のネットアクティブ体制において数ナノメートルに正常に維持されます。先端振動の振幅が小さいため、先端とサンプルの相互作用が最小限に抑えられ、見事な先端の保全とサンプル変更の頻度も抑えることができます。
真のノンコンタクト™モード
- 少ないチップ先端の摩耗 = 長時間の高解像度スキャンが可能
- サンプルを非破壊観察 = 再現性の高い繰り返し観察を実現
- 測定時のパラメータ依存から解放
タッピング モード
- 早いチップ先端の摩耗 = ぼやけた低解像度スキャン
- サンプルの損傷 = 繰り返し計測不可
- 高い測定パラメータ依存性
より長いチップ寿命と少ないサンプルへのダメージ
AFMチップの鋭い先端は非常に脆く壊れやすいため、サンプルに触れるとすぐに鈍くなり、AFMの解像度に影響を及ぼすことで、イメージの品質が低下します。軟質サンプルの場合、先端がサンプルにダメージを与えるため、サンプルの高さ測定に不正確さをもたらします。その結果、チップの完全性を維持することで、一貫した高解像度と正確なデータ取得が可能になりました。XE-AFMの真のノンコンタクト™モードが先端を見事に維持させることで、寿命を大幅に延ばし、サンプルのダメージを低減します。この図は、1:1のアスペクト比で表示され、XE-AFMによって画像化された浅いトレンチ分離サンプルの未処理の生データ画像を示しています。その深さは、走査型電子顕微鏡(SEM)でも確認できます。サンプルのイメージングに同じチップを使用し、20回に渡ってイメージングを行ってもチップの摩耗は見られませんでした。Park XE15の機能
XYスキャナは対称的な2次元フレクチャー式ピエゾスタックで構成されており、強力な圧電スタックにより面外運動を最小限に抑えながら高い直交移動を叶えます。また、ナノスケールでの正確なサンプルスキャンに不可欠な高い応答性も備えます。
強力な圧電スタックで駆動され、フレクチャー構造によってガイドされるため、その剛性により、従来のAFMに搭載されているスキャナよりもはるかに高速で垂直方向に移動できます。オプションのロングレンジZスキャナを使うことで、最大Zスキャン範囲を12μmから25μmに拡張することも可能です。
AFMヘッドは、ダブテールレールに沿ってスライドさせることで、容易に取り付けや取り外しができます。スーパールミネセンスダイオード(SLD)の低コヒーレンシ―により、高反射表面の正確なイメージングとピコニュートン力距離分光法の正確な測定が可能です。SLD波長は、AFMを可視スペクトルでの実験と組み合わせることに関心があるユーザーの干渉問題を解決します。
特別に設計されたマルチサンプルチャックは、最大16の個別サンプルをロードでき、マルチサンプルスキャンオートメーションにより順次スキャンできます。独自のヘッド設計により、サンプル・チップに簡単にサイドアクセスが可能です。
サンプルの測定位置は、統合した電動XYステージによって簡単かつ正確に制御されます。XYサンプルステージの移動距離は、150 mm x 150 mm、もしくは200 mm x 200 mmのいずれかに設定できます。エンコーダーを電動ステージと併用すると、正確なサンプルの位置決めにおける高い再現性を可能にします。エンコードされたXYステージは、1 ㎛の分解能、2 ㎛の再現性で移動し、エンコードされたZステージは、0.1 ㎛の分解能、1 ㎛の再現性で移動します。
Zステージとフォーカスステージは、ユーザーの明瞭な視界を常に確保しながら、カンチレバーをサンプル表面に固定します。また、フォーカスステージは電動でソフトウェア制御されるため、透明なサンプルや液体セルアプリケーションに必要な精度を備えています。
AFMから得られるナノスケールの信号は、高性能XEエレクトロニクスによって制御および処理されます。その低ノイズ設計と高速処理ユニットにより、Park XEエレクトロニクスは、ナノスケールイメージングや正確な電圧および電流測定に理想的な真のノンコンタクト™モードを実現します。
• 600MHz、4800MIPSの高性能処理ユニット
• 電圧・電流の精密な測定を可能にする低ノイズ設計
• 様々なSPM技術を活用できる多目的システム
• AFM入出力信号にアクセスするための外部信号アクセスモジュール
• 最大16データ画像
• 最大データサイズ:4096 x 4096ピクセル
• 16ビット、500KHzのAD/DA
• TCP/IP接続によるPCからの電気的ノイズ遮断